去年は北海道の海沿いを走ってしまった。
しかし外周に特化した僕は内陸にはほとんど足を運ばなかった。
北海道は内陸も魅力的な場所が山ほどある。
旭川ラーメン、景観の美瑛にラベンダーの富良野、そしてスイーツの国十勝……。
今年は内陸を攻めよう!
そう思った。
しかし海沿いとは違い、内陸は選択できるルートがたくさんある。
昨年同様小樽に上陸した僕は、札幌に住んでいる知り合いに会うため札幌へ向かった。
札幌で知り合いの人と会い、前述の悩みを打ち明けたら、
「国道12号線で旭川に向かって、そこから伸びてる国道で美瑛と富良野を走って、38号線で帯広方面に向かったいいんじゃない?」
と言われた。
なんの不満もなかった僕はそのプランに乗っかり、そのまま旭川方面へ向かうこととなる。
国道12号線は札幌と旭川という北海道の都市を結ぶ道だ。
交通量は北海道にしては多い方だと思う。
道にはお店やコンビニがずらりと並んでいてお金があれば喰うものには困らないが、この道で特に見るところはない。
あえていうなら日本一の直線道路というのはあるのだが、昨年走った道道106号線に比べたらどうも左右に点在するお店のせいで北海道らしくなく見劣りする道であった。
そして去年同様走っていてすぐに飽きた。
国道12号線からは外れているが、去年出会ったチャリダーが北竜町という町のひまわり畑がすごくよかったとの言っていたのを思い出す。
少し寄り道がてら北竜町に足を運んだ。
北竜町の市街地では街路樹の替わりにひまわりが植えられていて、地元のおばあちゃんが手入れをしている。
北竜町の道の駅にはひまわりソフトなるものが販売されてあり、道の駅内の温泉にはひまわり温泉なるものまであった。
とにかくひまわりを強く推している街である。
それだけ強く推しているだけあって、北竜町のひまわり畑はこれはこれは壮大だった。
やや坂道のところに畑はあるのだが、黄色一色でどこまでもひまわり、ひまわり、ひまわり。
坂の先のほうまで黄色に染まっていてる。
これだけの数と面積をひまわりで埋め尽くしているのだから迫力があって見応えがあった。
観光地なので人は多かったが閉園時間になると人はいなくなる。
僕はなにを思ったのかここで野営したくなったので、人気が去ったのを見計らって勝手にテントを立てた。
そして翌朝誰かが来る前にテントを畳んで、跡形もなく北竜町を去った。