節約、運動、効率…僕が自転車に乗るようになった理由。

古い折り畳み自転車

自転車自体には正直なところ興味はなかった。

あのときお金が欲しかった僕は、親から貰える電車の定期代金をお小遣いにしようと考えた。

家には幸い埃被った折り畳み自転車があった。

 

タイヤに空気を入れて乗ってみる。

走行に支障はない。

これならいける。

そう思った。

 

僕が住んでいた家から高校までは片道12~13キロはある。

往復にすると結構な距離である。

毎日の通学について苦痛かと思えばそうではなかった。

若気の至りなのかもしれないし、あのころは体力が有り余っていたからなのかも知れない。

 

ただ、個人的にはそのどちらでもないと思っている。

 

確かに距離はあったが、道なりはなだらかで勾配がほとんどない道を走った。

勾配のない道はそこまで身体の負担がないものですいすい走ることができる。

 

また、通学には河川敷にあるサイクリングロードを使っていた。

サイクリングロードというのは整備された自転車専用道路のことである。

 

河川敷サイクリングロード

 

サイクリングロードのいいところは安全面にある。

普通、歩道には歩行者がいるので接触などの事故の可能性がある。

サイクリングロードは歩道ほど人の往来が多くなく、接触事故が少ない。

 

また、車やバイクなどは通行できないのでそれらの接触事故が無くなる点は大きい。

そういうわけで通学のために毎日自転車を2時間近く漕いでいた。

 

初めは移動の足にしか考えていなかった自転車も、毎日使っていると愛着が湧くものである。

愛用していた折り畳み自転車はチェーンが錆びていて漕ぐたびにぎこぎこと音がなっていたので、赤茶けたチェーンを交換した。

パンクしたときは自力でパンク修理をやってみた。

 

これだけで自転車が好きになれるような気がした。

 

自転車は乗ってみるとなかなか面白い乗り物である。

当然だが身体を動かしているので運動になる。

僕が見たサイトの情報が正しければ、自転車はジョギングよりも身体にかかる負荷が6分の1か7分の1かで済むらしい。

適度な運動をするためには最適な乗り物だと思う。

 

また、自転車は小回りが利く。

例えば車やバイクだと実際の道路交通規則に沿って走行しないといけないが、自転車の場合は目的地を過ぎてしまっても安全なところで停止して引き返すことができる。

特に都会に住んでいたら街中がややこしく、人も多いので、車を使うよりも自転車で街の中を移動する方が効率がよかったりもする。

 

都会は電車やバスなどの交通機関は充実しているが、あくまでお金があればの話。

高校生の僕は100円台の料金ですらケチるほど財布の中身がスカスカだったので電車やバスに乗ることはほとんどなく、自転車ばかり乗っていた。

 

財布に1円

 

自転車で街の中を走ってから気づいたことだが、短い距離であれば交通機関を使うよりも自転車のほうが早く着くときがある。

例えば電車の場合は駅から駅までは数分で着くとしても、改札を通る時間や電車を待つ時間を考慮すると自転車のほうが早く着くときがある。

バスも同様で、バスが来るまでの時間や渋滞などの交通状況によっては自転車のほうが早いときがある。

しかもお金も浮くし運動もできるから一石二鳥だ。

 

そういうわけで僕は高校時代、自転車に乗り続け旅を始め、大学に入ってからも自転車を乗り続けることになったのだ。